臨床医の立場から見た「血清IgG4の当日結果報告の有用性」について
仙台市医療センター・仙台オープン病院 消化管・肝胆膵内科の伊藤啓 先生にお話を伺いました。
また、臨床検査室 鎌田将矢 技師にIgG4院内導入後の変化についてお話を伺っております。
IgG4関連疾患(IgG4-RD)は日本から発信された新たな疾患概念として注目されています。IgG4-RDは未だ原因が不明で、血中 IgG4高値と罹患臓器における著明なIgG4陽性形質細胞浸潤と線維化を特徴とし、同時性あるいは異時性に全身諸臓器の腫大や結節・肥厚性病変等を認める疾患です。
罹患臓器としては膵臓、胆管、涙腺・唾液腺、中枢神経系、甲状腺、肺、肝臓、消化管、腎臓、前立腺、後腹膜、動脈、リンパ節、皮膚、乳腺などが知られています。病変が複数臓器におよび全身疾患としての特徴を有することが多いですが、単一臓器病変の場合もあります。自己免疫性膵炎や涙腺唾液腺炎(ミクリッツ病)などが典型的疾患です。臨床的には各臓器病変により異なった症状を呈し、臓器腫大、肥厚による閉塞、圧迫症状や細胞浸潤、線維化に伴う臓器機能不全など時に重篤な合併症を伴うことがあります。自己免疫機序の関与が考えられており、ステロイド治療が第一選択となりますが、減量、中断によって多くの例で再発が見られる難治性の疾患です。
*「指定難病300(IgG4関連疾患)」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000084783.html)を加工して作成
N-アッセイ LA IgG4 ニットーボーは、汎用自動分析装置で測定が可能な試薬として上市いたしました。これにより、汎用自動分析装置を有するどの検査室でも血清IgG4測定が可能となり、より迅速かつ簡便に検査が実施できるようになります。
低域から高域まで良好な相関性
IgG4が高濃度域でも
偽低値を示さない測定法を採用
IgG4に対し高い特異性を持つモノクローナル抗体を使用
免疫グロブリンG1 ミエローマ | 免疫グロブリンG2 ミエローマ | 免疫グロブリンG3 ミエローマ | |
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理論値(mg/dL) | 3000 | 3000 | 3000 |
測定値(mg/dL) | 5 | 7 | 5 |
理論値に対する測定値の割合 | 0.2% | 0.2% | 0.2% |
(日本電子JCA-BM9130形 自動分析装置にて測定)
N-アッセイ LA IgG4 ニットーボーの基準範囲:11-121mg/dL
*Usami Y, et al., Evaluation of a novel serum IgG4 assay and determination of reference interval for the Japanese population.Clin. Chim. Acta.501:136-141,2020
商品名 | 構成 | 成分 | 測定対象 |
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N-アッセイ LA IgG4 ニットーボー | 抗体試液(R-1) | マウス抗ヒト免疫グロブリンG4モノクローナル抗体 | 血清 |
ラテックス試液(R-2) | ヒト免疫グロブリンG4感作ラテックス粒子 |
貯法 | 2~10℃で保存 |
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有効期間 | 製造後1年間。最終使用期限は容器ラベル及び外箱に表示 |
当試薬はご使用後に必ず閉栓し、冷蔵庫にて保管いただきますようお願いいたします。