製品名 |
N-アッセイ L Fe-H ニットーボー |
項目名 |
血清鉄(Fe) |
測定原理 |
トランスフェリンと結合している3価の鉄(Fe3+)を酸性で遊離させ、このFe3+を還元剤にてFe2+に還元します。Fe2+はニトロソ-PSAPと結合し、760nmに極大吸収をもつキレート化合物を生成します。このキレート化合物を比色定量して血清鉄含量を求めます。(ニトロソ-PSAP法)
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特長 |
- 高感度キレート剤2-Nitroso-5-(N-propyl-N-sulfopropylamino) Phenol(Nitroso- PSAP)を用いています。
- 測定範囲は6~1000μg/dLです。
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臨床的意義 |
鉄は生体内では2/3が赤血球内の血色素鉄として存在し、1/3弱は貯蔵鉄(フェリチンとヘモジデリン)として肝、脾などの実質臓器内にあり、総量は約4000mgです。血清内では、鉄はβ1-グロブリンに属するトランスフェリンと結合しており、それ以外の形では存在しません。血清鉄はすべてトランスフェリン結合鉄です。 貯蔵鉄からトランスフェリンと結合した血清鉄は、血清中を流れ、骨髄の赤芽球に摂られます。赤芽球はその胞体内で鉄を材料として血色素を合成して、それがある量に達すると赤血球となって血液中に動員されます。赤血球は酸素の運搬という仕事を果たしながら血中を流れ、順次老化して120日の寿命で崩壊します。崩壊した赤血球は体内の細網細胞で処理を受け、血色素の分解によって遊離した鉄は、細網細胞から動員され、トランスフェリンと結合して、血色素として再び造血に用いられます。血清鉄はこのように貯蔵鉄から造血細胞への鉄の通路であり、その測定は、生体内の鉄の需給関係のバランスをよく反映させていますので、鑑別診断に役立ちます。 なお血清鉄は朝高く、夕方に低下する日内変動があります。加齢変化もみられ高齢者では低くなる傾向があります。
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共用基準範囲 |
40~188μg/dL |
高値 |
鉄芽球性貧血、再生不良性貧血、ヘモクロマトーシス、不応性貧血、鉄剤投与、肝硬変など |
低値 |
鉄欠乏性貧血、潜在性鉄欠乏、悪性腫瘍、慢性炎症性疾患、真性赤血球増加症、無トランスフェリン血症、妊娠など |